2009.11.11 経済ニュース

2009.11.11 経済ニュース   担当:堀越


 米食品大手__1__は9日、英食品大手__2__に示していた買収提案を敵対的買収に切り替えた。買収額は総額で98億ポンド(約1兆4700億円)。9月初旬に示し、__2__側が拒否していた当初案(102億ポンド)を下回る。__2__側は同日、「買収額が低すぎる」として拒否する声明を発表。買収額の引き上げに発展する可能性もある。
 買収額はキャドバリー1株あたり717ペンスに相当。前週末終値を下回るが、最初の買収提案を公表する直前の9月4日まで90日間の平均株価に対し、プレミアム(上乗せ幅)は約__3__%にあたる。__1__は「買収額は相当なプレミアムを示している」として、先の買収提案後に___2__株が急上昇したことを反映したと説明している。
 一方、キャドバリーは9日、新提案に対し「(買収額は)当社の正しい価値をほんのわずかも反映していない」(ロジャー・カー会長)として拒否する声明を発表。同時に同社株主に対し、クラフトの申し出を拒否するよう提案した。
 「オレオ」「ナビスコ」などを持つ__1__と、「トライデント」「デイリーミルク」を持つ__2__の統合が実現すれば年間売上高は単純合計で約500億ドルとなり、菓子メーカーとして世界最大に浮上する。




 __4__銀行と__5__・グループは6日、2011年4月に経営統合し、新しい持ち株会社「__7__トラスト・ホールディングス」を発足すると正式発表した。信託財産は合計で118兆円と、三菱UFJ信託銀行を抜き業界首位となる。統合でコスト削減効果を見込むほか、個人金融資産の運用業務を強化。海外展開も視野に入れ収益拡大を目指す。
 ただ「メガ信託誕生」とはいっても銀行界全体で見た場合の影響は限られるとの声が多い。新たな信託銀行の規模は、りそなには肩を並べるものの、銀行業界トップの__6__・グループと比べると総資産額ベースで2割足らず。
 __4__と__5__は長年__7__FGとは親密さを強調してきたが、持ち合いなど明確な資本関係はなく、企業融資などを中心に本質的には競合関係にある。__7__は長年、グループへの参加を促す秋波を送り続けてきたが、最終的には「その選択肢はなかった」と両行にそでにされた格好。それだけに2つの「__7__」グループの関係が今後どうなるのかは注目の的だ。


 主要百貨店が2日発表した10月の売上高(国内既存店ベース)は、大丸を除いて軒並み前年同月比2ケタ減となった。各社は昨年9月の「__8__・ショック」を機に前年比10%前後の減収に陥ったが、それから1年を過ぎても、衣料不振などに伴う構造的な低迷から脱却できない。一方、ファーストリテイリングは同日、カジュアル衣料店「__9__」の10月の国内既存店売上高が同35・7%増えたと発表、明暗を分けている。
 業界1位の__10__ホールディングスが9日発表した2009年4~9月期の連結決算は、営業損益が4億円の赤字(前年同期は112億円の黒字)だった。大手百貨店では唯一、上期に営業赤字に転落した。
 傘下の百貨店で最も苦戦したのは三越だ。コスト削減を拡大したが、衣料品や宝飾品などの販売不振を補えなかった。三越の単独ベースの既存店売上高は12・6%減り、営業損益は38億円の赤字(前年同期は22億円の黒字)だった。「コストが同業他社に比べ高い」(石塚邦雄社長)。伊勢丹は既存店売上高が12・0%減少し、営業利益は51%減の31億円だった。

 ・薬事法改正から半年
医療用成分の薬、1~2割減/規制緩和品は新規参入進む
 
 一般用医薬品(大衆薬)の市場活性化に向けた改正薬事法の施行から今月で半年。病院で処方する「医療用」の成分を主に使う大衆薬は、ドラッグストアを中心に売上高が前年比1~2割落ち込んでいる。薬剤師の説明義務付けなどが消費者に敬遠されているためだ。薬剤師以外も売れるよう規制緩和された商品は新規参入が進むが、大衆薬全体の底上げには至らず、法改正が狙う医療費削減に狂いも生じている。
 6月1日に施行された改正法は大衆薬を副作用リスクの高い順から第1~第3類に分類。リスクが比較的低い第2・第3類は薬剤師より取得が容易な新資格「登録販売者」も店頭で販売できるようにする一方、第1類は安全性確保のため引き続き薬剤師しか扱えない。

 「第1類の販売てこ入れが急務だ」。ドラッグストア3位、__11__ホールディングスの幹部はこう漏らす。同社では7月から9月の第1類の販売額が各15~33%減少。最大手の__12__ホールディングスも同じく苦戦しているようだ。
 低迷の理由は、薬剤師が副作用リスクを書面で説明するよう義務付けられ、手間を嫌う消費者が購入を手控えているためだ。消費者が簡単に手を触れないよう、施錠されたガラスケースやカウンター奥に陳列しなければならず、店側からは「販売方法が厳格過ぎる」との声も上がっている。
 大衆薬市場は推定1兆2000億円弱で、このうち第1類はまだ500億~600億円とみられる。改正法の目的は高齢化で膨らむ医療費抑制に向け、軽度の病気はできる限り病院にかからず、自分で治療・予防する「セルフメディケーション」の推進。そのカギを握るのが、病院で処方する医療用医薬品の成分を転用した第1類の拡大だ。

・狙いは医療費抑制
 そのため厚生労働省は、医療用の中で使用実績が多いといった要件を満たしたものを大衆薬として積極的に認めてきた。医療保険は適用されなくなるが、医師の診察料や処方せん料が不要になるため、患者の費用負担は軽くなることが多い。だが現在のところ、こうした大衆薬シフトの目算は狂っている。
 現在の日本の国民医療費は33兆円程度。2025年には56兆円規模へ膨らむと厚労省は推計する。大衆薬市場を中長期にどう成長させていくかが問われている。

 後発医薬品大手2社(__13__薬品と__14__製薬)の2009年4~9月期の連結純利益は前年同期比で増加し、ともに4~9月期としては過去最高だった。売り上げ規模の大きな新薬に対して後発薬の新製品を発売したことで売上高が伸びた。
 東和薬品が9日発表した4~9月期の連結売上高は11%増の190億円、純利益は15%増の19億円だった。昨年発売した高血圧治療薬「アムロジピン」の後発薬が想定以上に好調だった。
 沢井製薬も排尿障害改善薬「ハルナール」などの後発薬の新製品が好調。売上高は12%増の239億円。純利益は2・1倍の20億円だった。